自然塾立山撮影行 記録メニューに戻る 記録:山口、高橋 写真:山口 開催日時:2006年8月20日(日)~23日(水)

 今年の写真自然塾夏山撮影は先生の都合で夏山にしてはやや遅い8月下旬の立山・大日岳となった。参加者はゲストを含め9名、行動には手頃な人数になった。
事前の天気予報は晴れの予報だったが、当日になってみると期間中の予報は曇り時々雨に変わってしまった。大きな崩れはないとのことだったが前線のぶつかり合いで雷注意報が出るなど不安定な天候が予測され、先生と室堂山荘の佐伯オーナーとの意見の結果、尾根伝いの大日岳は止めた方が良いとの結論になった。急遽予定を変更して2日目は剱御前小屋、3日目は内蔵助山荘泊まりと一転して楽な行程に変わり、その分写真を撮る時間はたっぷり取れることになった。
参加者 :石原、奥井、唐妻、高橋、月野木、山口、横坂、(ゲスト)加藤、松本、岩橋崇至先生、岩橋(宏)

行程: 室堂山荘集合(泊)
    ~雷鳥平~雷鳥坂~剱御前小屋~周辺撮影~剱御前小屋(泊)
    ~周辺撮影~別山~真砂岳~内蔵助山荘(泊)
    ~真砂岳~富士の折立~大汝山~雄山~室堂山荘~解散
(8月20日:日曜日:晴れ後曇り)

 16時ごろ室堂山荘集合ということだったが、各参加者が昼前後から三々五々到着。予定の時間には全員が集合した。盆明けの日曜日にしてはまずまずの宿泊数だったが、近年は7月から9月まで客数の変化は昔ほど無いとのことだった。ガスが舞って撮影には不向きな条件であったことと、甲子園の決勝がTVで放映されていたので、延々と続く延長戦に夕方までテレビに釘付けになってしまった。入浴も済ませ17時に夕食。日没前微かに空が染まりかけたが撮影には至らずその後ミーティング。20時半就寝。


(8月21日:月曜日:曇り時々雨)

 4時過ぎに全員起床したが残念ながら雨。5時50分朝食。8時10分、雨は止んでいたが曇り時々雨の予報にカッパを着るか着ないか思案のうちに出発。早くも雷鳥平への路の途中から雨、撮るものも無く雷鳥坂へ。のぼりに掛かると幸いにも薄いガスの中ではあったが雨は止み、しっとりと濡れた花々が足元に広がりを見せてくれた。今年は雪が多かったためにこの時期でも花々が豊富だ。さすがにチングルマは綿毛を露に被われていたが、クルマユリ、アオノツガザクラなどはまだ旬の輝きを保っていたし、晩夏の花であるトウヤクリンドウなどはやっと咲き出したばかりのようだった。気温はさほど高くは無いが湿度たっぷりの登りは汗だくだ。30~40分毎に休憩を取りながら、花があれば適当に撮りながら登っていく。かなり登って辺り一面トウヤクリンドウが咲き乱れるところに出ると、もう直上に剱御前小屋が霧の中に浮かんでいた。十分にカメラに収め、12時20分小屋に到着。
昼食は室堂山荘で作って貰った弁当。御前小屋の好意でお茶を頂きながら食堂でゆっくり食べる。しばらく休憩を兼ねて待機していたが、雨も落ちてくることなく、時折り剱岳の一部がガスの中に見え隠れする。昨日に続いて早実と駒大苫小牧の再試合がTVで放映されているのを横目で見ながら空模様を観察。
14時半、小屋にいても仕方が無いので撮影に出る。小屋の近くにカメラをセットして剱岳の現れるのを待つ者、剱沢へ下って花々に写材を求める者、2時間ほど粘ってみたが大きな収穫は無かった。17時夕食。バイキング形式の食事は量の調節が出来てありがたい。その後夕日を求めて剱御前まで行ってみたが、ガスに阻まれ無駄足だった。21時就寝。
(8月22日:火曜日:曇り一時雨)

 5時起床。雲が多かったが一部に青空も見え、ひょっとしたらとの期待を抱かせる。小屋の前のピークに上がって日の出を待つが、東の空に雲が掛かり、剱、雄山、大日、それぞれのピークもガスが纏わりついて離れない。期待外れに終わった。
6時朝食。休憩の後、曇っていても花なら撮れると、剱御前の尾根に向かう。ハクサンイチゲ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、イワギキョウなど多くはないが、汚れの無い花々が迎えてくれた。1時間半ほど撮影して小屋へ戻る。あまり長居しても迷惑なので出発の支度を整え、9時10分、内蔵助山荘へ向かう。
剱岳の全貌が展開するパノラマルートながらどうしてもピークは現れてくれない。時間はタップリあるが、撮るものもなく登っていると、この時期には珍しい雷鳥のつがいが現れた。雄の目の上にははっきり赤い婚姻色が見られ雌共々に餌を啄ばんでいる。今更子作りしても冬の寒さに育たないだろうと余計な心配をしながらしばらくカメラで追ってみた。
40分ほどで別山山頂に立つ。ここには石積みの囲いのなかに立派な社が鎮座している。平成になってからの新しい社のようだった。各人各様に登山の安全祈願を祈った後、ここで全員の集合写真を撮らせて貰った。ここから真砂乗越にかけては急下降が続く。相変わらずガスが頭上を巻くが行き先の視界を妨げることは無い。時には室堂平も顔を覗かせたりするがそれ以上にはなってくれない。
この辺りは再びトウヤクリンドウの花畑だ。この時期にここを歩いたことがないので比較はできないが、いつもこんなにトウヤクリンドウが咲くのだろうか。もう随分撮ったようにも感じるが、再び良さそうな花を探しながら時間を掛けて撮影。
真砂乗越から見る真砂沢は残雪がたっぷり、ここでも雪の多さを実感する。そろそろ昼も近くなったので内蔵助山荘へと向かう。真砂岳の頂上付近で遠雷の音と共に小雨がぱらついてきた。この2日間雷注意報が出ながら遭遇せずに済んだがとうとう来たかと足を速めて小屋へ急ぐ。12時丁度、小屋に着くと間もなく大粒の雨が降ってきた。15分遅かったら濡れていたであろう。剱御前小屋同様、ここでも食堂を使わせて貰って弁当を広げる。かなり大きな握り飯だった。
午後は14時半から2時間ほど講評会。遠方で普段先生に見て貰う機会の少ないメンバーには丁度良い雨だったかもしれない。
17時30分、夕食。こじんまりした小屋で泊まり客も少ない小屋のためか、夕食のおかずは揚げたての天婦羅をはじめ手作りの家庭料理といった感じで味もよく好評だった。ご飯も味噌汁もとても美味しかった。夫婦らしい2人と若い娘さん2人の4人で切り盛りしているようだったが、立山の穴場と言ってもいいだろう。夕食の最中に西の空が赤らんできた、食後大急ぎでカメラを持ち出し、真砂尾根を東に向かって先へ先へと行ってみる。10分ほどで先が無くなるがここまで来ると別山に遮られていた剱岳のピークも見通せる。だが、肝心の夕日はまたも空振り。それにこの位置は夕方よりも朝が良さそうだ。とぼとぼと夕闇せまる中を足元に気をつけながら小屋に戻る。20時半就寝。


(8月23日:水曜日:晴れ時々曇り)

 4時30分起床。初めての快晴。東の空が赤く染まっているのを見て、大急ぎで身支度を整えて撮影に走る。場所は昨夕の尾根の突端。オレンジ色の空の下に見事な雲海が広がり、針ノ木岳、爺ヶ岳、鹿島槍、五竜そして遠く白馬三山などが瀬戸内海の島々のごとく黒くシルエットに浮かんでいる。富士ノ折立の裾には小さく槍ヶ岳も浮かんでいた。刻々と変わる色合いにシャッターを切るうち、やがて布引山の肩から強烈な太陽が顔を出した。そのうち五竜から唐松岳の方向の雲海が切れ、まるで川面に薄絹を流したような雲が現れる。3日間の鬱憤を晴らすように一気に写材が現れた感じだ。朝食は5時半の予定だったが、やっと訪れたチャンスに興奮冷めやらず5時50分まで撮影に没頭する。泊り客が少なかったこともあったのか、小屋主も遅れて戻った我々を快く迎えてくれた。
6時朝食。ガスが出ないうちに剱の全貌を撮ろうと6時50分に急ぎ富士ノ折立へ向かって出発。途中、大日岳へ向かう松本さんと別れ、7時45分に山頂へたどり着いたが既に遅く、頂部にはガスが纏わり着いてしまった。20分ほど待ってみたがガスは濃くなるばかり、早めに下りたい山口はここで諦めて雄山経由で下山。残りのメンバーは更に8時50分まで待つも結局剱が現れることは無く断念。もう一度来なさいということだったのだろう。
9時10分大汝小屋、周辺のタテヤマリンドウを撮影して、10時に雄山へ立つ。居残る唐妻、月野木両名を残して9時20分下山。一ノ越からの登山客が多く、ガラ場でのすれ違いが面倒だが仕方がない。11時直前に一ノ越山荘、8分ほど一息入れて、11時40分には室堂山荘に到着した。汗を流し、昼食を取って12時45分室堂山荘で解散、帰途についた。
今回は天候に恵まれず山の撮影はほとんどできなかったが、期待以上に花々が撮れたことで良しとしよう。
いい加減に切り上げようよ~