夏の鹿島槍 記録メニューに戻る (8月6日:土曜日:曇り後晴れ)
 3時45分起床。4時15分、鹿島槍から五竜方面に向かう石原さんと別れて出発。ところが、出発時山口の三脚が紛失。早朝出発に備えて廊下にザックと一緒に置いておいたのが無くなっていた。山荘に届けたが全員出発後も残っていなかったとのこと。残念ながら盗難と認識せざるを得ない。混雑していても貴重品・カメラ・三脚は手近に置いておかなければならないようだ。
 4時35分、昨日同様赤岩の分岐の上で朝日を待つが、この日も展望は効かず、太陽の出る位置にも薄いガスが流れて良い情景は期待できない。日の出とともに丸く薄赤い太陽がガスを通して望めたが、山並との対応がとれないので海で撮ったのと同じようなものだ。5時20分、早々に限り上げて種池に向かう。ガスが上がってきて、周囲は乳白色の世界になった。生暖かい気配が漂い、2400mを超えているのにちょっと歩くと汗だくだ。最後まで撮影には不向きな天候だったが、雨に降られないだけでも良しとすべきかもしれない。
 7時5分、種池山荘着。有難いことに朝食(冷池山荘の弁当)を取るのに食堂を使わせてくれた上に味噌汁まで用意して頂き感激。同じ経営であり、合計4日も連泊したからと言えばそれまでだが、配慮の効いた心遣いに感謝。
 8時5分、針の木方面に向かう長野さんと山荘に別れを告げて柏原新道を下山。登ってきた時と同様暑い日だったが、下りだけに歩が進む。この日は土曜日と言うこともあって、登ってくる人に多さにびっくり。次から次へと引きもきらぬ有様だ。途中2度の休憩で11時丁度に扇沢に無事下山。種池山荘で頼んでおいたタクシーと先生の車に分乗して大町温泉・薬師の湯で汗を流し、大町駅前の蕎麦屋で遅めの昼食を取って帰路についた。撮影山行というよりは楽しい山登りの会のような旅だった。
(8月5日:金曜日:晴れ時々曇り)
 3時45分起床。4時10分出発。鹿島槍と立山・剱の朝焼けを目的に赤岩の分岐を一段上がったところに三脚を立てる。しかしこの日も連日と同じで条件が悪い。山岳写真にはつきものとは言いつつ毎日くたびれ儲けというのも辛いものだ。赤岩ルートに入った4,5人は早々に諦めて夜露に濡れたチングルマやウサギギクを撮れたのが救いだった。6時に山荘に戻り、6時半朝食。
 ここまで来ているので、撮影条件がどうなるかはともかく鹿島槍の山頂だけは天気が悪くならないうちに踏んでおきたいと、7時24分に弁当持参で山荘を出る。前日のところまでは一気に登って、布引山の急登の手前で10分休憩。ここからはもう樹木は無い。急登を登りはじめるとそれまでほとんど見られなかった崩壊砂礫地の花々が足元を飾りだす。布引山山頂を8時35分に通過、イワツメクサ、タカネツメクサ、イブキジャコウソウ、イワギキョウなどなどが一気に展開しだす。雷鳥も出現し、撮影しはじめると限が無い。ともかく山頂を目指す者、撮影に余念がない者、15人がバラけて思い思いに行動しだす。鹿島槍南峰には10時前後に到着、先行と最後尾は1時間弱違っていたようだ。
 どこへ行っても山頂に立つのは気持ちが良い。達成感と景観が全てを忘れさせてくれる。適当に日も射し、山頂に座って四方を眺めていれば疲れもどこかへ行ってしまいそうだ。ただ写真屋にとってこの日の天候は駄目と言わざるを得ない。北峰から連なる後立山連峰を撮ろうにも、立山・剱のスカイラインを撮ろうにも、白濁した空気と東から上がってくるガスが邪魔をして絵にならない。三脚を構えたまま待つこと30分、結局1枚も撮らずに終わった人もいたようだ。山頂の陽光の元で早めの昼食を取り、記念写真を撮って、11時に下山に掛かる。帰路は適宜撮影しながら帰ることとなった。登りに気づかなかった所や、すっきり撮れなかった所、新たに発見したポイントなどその気になれば撮るところはいくらもある。いつも通り最後尾は先生だ。つい見過ごしがちな所も確実の捉えていく、さすがプロというべきか、我々生徒の根気が無さすぎるのか、撮影の量も大きな違いだ。12時半から13時半にかけて全員帰着。今日も山は撮れなかったなあ、と言いつつ一応満足してこの日の撮影を終了。午後はガスが上がってきて休養。
 16時半、夕食。いつもの懇談後、明朝の下山に備えて荷造りをして、21時15分就寝。
(8月4日:木曜日:晴れ時々曇り)
 前日に続き3時30分起床、4時出発で爺ヶ岳南峰へ向かう。前日と違うのは、その後冷池山荘まで行くので荷物を全部背負っての登りだが、体も慣れてきたので比較的楽に歩が進む。4時35分には全員南峰山頂に立っていた。天候は残念ながら前日と同じ、むしろ靄の状態は悪いくらいであった。取り敢えず爺ヶ岳中峰の右に出てくる日の出と微かに赤みを帯びる鹿島槍を撮影するが気合が入らない。太陽が上がり立山・剱も浮かんではくるが澱んだ空気に邪魔されてすっきりしない。なぜか目の前の岩小屋沢岳への稜線と種池山荘の赤い屋根だけが鮮やかに目に映る。
 6時、山荘の弁当を開いて山頂での朝食。標高2600mを超えて冷たいご飯を食べても寒くないのが靄の原因だ。撮影日和りではないが登山日和りの朝だった。
 6時20分、一旦種池山荘へ戻る先生とこの日で下山する宮嶋、高橋両名を見送った後、14名で冷池山荘へ向かう。途中、撮るものもなく3回の小休止を経て8時4分に冷池山荘に到着。この日もツアー登山を含めて大勢の登山客が次から次へとやってきて山荘の前は人の波が絶えなかった。午前中は布引山稜線で花の撮影に当てることとし、8時55分山荘を出発。撮影は下りですることにして、取り敢えずロケハンがてら行ける所まで行くことにする。途中1回の休憩を挟んで9時48分、布引山直下の急登手前で折り返すことにする。ここまでの所では途中2ヶ所ほど花の良いところがあったが、お花畑というほどのポイントはなかった。だが、この稜線は立山・剱の絶好の展望地、条件が良ければと惜しまれるが、単に登山者としてならば十分満足できる1日であった。しばらく展望を楽しんで下山。帰路クルマユリ、アオノツガザクラ、チングルマなどを撮ったが、特にハクサンチドリが5株ほどまとまって咲いていたのが収穫だった。11時40分山荘に戻って昼食。先生も既に上がってきていた。
 午後はガスが上がってきて撮影中止。会員持参の写真の講評会で2時間ほど費やしたが、この日も満員で夕食は早々と16時半。20時まで懇談の後就寝。
(8月3日:水曜日:曇り時々晴れ)
 3時20分起床。朝日を撮りに4時前に爺ヶ岳に向けて出発。日の出30分前、まだ真っ暗な中を南峰山頂を目指すが、昨日の疲れが残って体が重い。山頂まで行ったのは先生を含めて僅かに5人、残りは山頂直下の肩のところで「もうここでいいや」と三脚を立てる始末だ。標高2400mを超えているのに生暖かい空気が身体を包んでくる。案の定、空が明るくなるにつれて周囲の山並に白んだよどみが出てきた。東の空も下部に雲が掛かり、ようやく太陽が顔を出した時には既に赤みは消え、眼前の鹿島槍は勿論のこと対峙する立山・剱も輪郭のはっきりしないぼーとしたスカイラインに終わってしまった。遠く槍ヶ岳の上空にわずかにいい雲が出たが、ここからでは遠すぎた。
 6時20分、山荘に戻って朝食。食後は休憩もそこそこに山荘の周辺でコバイケイソウ、チングルマなどの撮影。やや旬の時期は過ぎたが、特にコバイケイソウの大群落は10年に一度と言われるほどの見事な開花だった。しかしこれを如何に表現するかが問題でなかなか上手い構図が出来ない。針ノ木岳や剱岳などを背景にしたいが山頂部にガスが掛かって物にならず、登山者が多いのも撮りにくい。昼まで思い思いにチャレンジしたが作品になったかどうか?
 12時20分昼食。14時から午後の撮影。山並は隠れているが天空は晴れて花の撮影には差し障りがない。岩小屋沢岳の方向へ少し下がったところに手頃なお花畑が広がっているのでここを訪れる。アオノツガザクラ、ミヤマキンポウゲ、チングルマ、コイワカガミ、ハクサンフウロなどが程よく咲いていた。まるで撮影のために作ったような配置で、路に三脚を立てると丁度いい構図になってくれる。折からの陽光を浴びながらのんびり、ゆったりした気分で撮影が出来た。更に足を伸ばすとキヌガサソウの群落もあって充実した花の撮影会になった。
 16時15分山荘に戻る。夕食は17時半、夕焼けには恵まれず懇談の後20時15分就寝。
(8月2日:火曜日:曇り時々晴れ)
 扇沢ロッジ前泊組10名と早朝に夜行バスなどで到着した3名、それに岩橋先生、スタッフの大関君が7時に扇沢登山口へ集合。当日種池山荘に直接入る2名を除いて15名の団体登山となった。準備体操をして7時24分登山口を出発。例年通りの梅雨明け時期にもかかわらず7月中はすっきりしなかった今年の夏も8月に入り暑さが到来、この日も曇りがちながら蒸し暑い朝となっていた。スタートはかなりの急登、樹林帯の中をジグザグに登ること20分、早くも全身に汗が噴出してくる。8時20分八ッ見ベンチで最初の10分休憩。下から聞こえてくる扇沢の沢音だけが涼しげだが、ほとんど風もなく本当に暑い。
 9時18分、2度目の休憩。傾斜は少し緩んでくるが暑さと汗の量はいっそう激しくなってくる。扇沢のバスターミナルが遥か下に霞んでくるが、上を見ると山荘の赤い屋根はまだ遥か彼方だ。10時15分、ようやく傾斜が緩んで息も少し楽になった辺りで3度目の休憩。水平道標識のちょっと手前だった。水分を補給して10時31分に歩行再開。地図を見るとここからはたかだか100mで10~20m程度の勾配だ。少しは楽になるぞと思ったが、暑さと疲れがそうそう楽はさせてくれない。40分ほどで最後の休憩に入る。2000mを越えるに至っても涼しさを感じないし風も一向に吹いてくれない。火照った体は10分程度の休憩ではなかなか冷めてくれない。残りは20分程度という先生の声に、さあもう一分張りと立ち上がるが、この最後の登りがきつかった。再び勾配を増した急登は一歩一歩が苦しみへの階段のようだった。15分ほどで樹林を抜け、赤い山荘の屋根が目の上に見えていても体が言うことをきかない。小屋の下は一面コバイケイソウの大群落、今までに見たことも無いような見事な開花状態だ。11時50分、ようやく種池山荘に到着。蒸し暑さの中での辛い登行で、軽い熱中症のような症状が出てしまったようだ。
 一休みして昼食。定番のラーメンとカレー各700円。午後はガスが上がって来て撮影不向き。疲れもあってほとんどを部屋で休養と懇談で過ごす。夕食は3~4回転するようで、早々と16時半に取り、夕日を待ったがその甲斐もなくこの日を終了。あまり例を見ない20時15分の消灯に合わせて早々に就寝。
開催日時:2005年8月2日(火)~6日(土)

 恒例の写真自然塾夏の撮影山行、今年は種池から鹿島槍にかけての稜線に花を求めて以下の15名の参加で行った。

参加者 :石原、井出、大越、大谷、梶原、唐妻、渋谷、高橋、中川、長野(益)、西沢、
      西田、宮嶋、森田、山口、岩橋崇至先生、スタッフ大関
行程  :扇沢登山口~柏原新道~種池山荘(泊)
      ~爺ヶ岳南峰~種池山荘~周辺撮影~種池山荘(泊)
      ~爺ヶ岳南峰~冷池山荘~布引山直下~冷池山荘(泊)
      ~赤岩分岐上~冷池山荘~鹿島槍南峰~冷池山荘(泊)
      ~爺ヶ岳~種池山荘~柏原新道~扇沢登山口
記録メニューに戻る 記録 山口 浩、写真 森田 亮