記録、写真:山口 10月14日(金) : 曇り時々晴れ 4時30分起床。5時朝食。日の出は5時50分ごろ。それに合わせて外に出るが、上空には星も見えるものの周囲は雲に覆われ朝日は期待できそうにない。だが、いつ大きく変化しても可笑しくない山の天気に、淡い期待を持って涸沢池に行ってみる。いつになく池の水が少なく映り込みを撮れる場所はごく限られている。全員が揃って撮るのは難しそうなので、一部は小屋の後ろの高見に移って穂高から涸沢カールへ差し込む朝日を狙う。案の定、赤く染まったのは北穂高の南稜だけ。何回撮っても上手く撮れない対象だが、これしかないので仕方なくカメラを向ける。やがてカールに日が差し込んできたが奥穂高や涸沢岳は相変わらずガスの中だ。7時まで頑張ったが作品になりそうなものはなかった。一旦ヒュッテに戻ってしばし休憩。 午前中カール内部で撮影することになり、8時丁度にヒュッテを出発。幸いテント場の下端のポイントには何とか様になるナナカマドがあった。真っ赤と言うわけにはいかないが、濃いオレンジ色に染まり、葉も比較的綺麗だったのでここで集中的に撮影。奥穂・北穂・涸沢岳・表銀座それぞれをバックに様々なアングルに挑戦する。 その後全員の記念撮影をしたが、山口は所用があり9時5分皆さんに別れを告げて下山。従ってその後の詳細な行動は記載不能だが、二宮さんからの情報によると、午前中はカールで撮影。午後は雨が降り出し撮影は止めて、ヒュッテの部屋で講評会。15日の朝は前日同様すっきりしない朝で、9時過ぎ早目に下山とのこと。 10月13日(木) : 曇り時々晴れ 5時前に起床。朝食は各自取るように指示されていたので、全員が5時のスタートに合わせて三々五々済ませる。部屋の窓から前穂高に朝日が当るのを撮るべく期待したが、東の空に雲が掛かって駄目。6時30分に玄関前集合し、準備体操をして6時40分、涸沢に向けて出発。先生からは「カールの紅葉は期待薄だし、明日も撮れるので今日は屏風岩付近の紅葉を狙おう」とのお達し。7時9分、岩小屋跡の先で衣服調整の休憩。屏風岩の横からは各自撮影しながら本谷橋に8時45分に集合することにする。長い距離を歩いているとどこかに良い所があるのが常で、この日は途中のブナと対岸のダケカンバが素晴らしかった。この季節に何度もここを通過しているが、これほどのブナの黄葉は初めてだ。屏風岩の下部に広がるダケカンバの黄色も、時折差し込む陽光に照らされた幹の白さも相俟って誠に美しい。ある筈の赤いアクセントがないのが寂しいが仕方がない。夢中で撮っているうちに気がつくと既に集合時間を大幅に超過していた。良い写材があれば時間の観念が無くなる先生の性格を知っている者にはいつものことだが、初めての人は戸惑うことだろう。 1時間遅れの9時43分に本隊が本谷橋に到着。水分補給と若干の行動食など口にしながら9時55分まで休憩。ここからしばらくはひたすら登るだけだ。ここまでの緩やかな路とは様変わりに急登になる。10時35分、涸沢下部が見えてきた所で10分休憩。その10分ほど先で撮影に耐えそうな紅葉が見えてきたのでここから撮影に入る。だが、涸沢全体としてはとても天下に聞こえた紅葉の名所とは言い難い有様だ。何とか絵になりそうな所を探してはカメラを向けるが、作品になるような絵作りは難しい。全体が駄目なら小さな秋を見つけようと、高山植物の紅葉を探してみる。ミヤマダイコンソウやチングルマの葉が赤く綺麗に染まっているのを撮ったり、僅かに赤く染まったナナカマドの実をダケカンバの黄色の中に置いて目立たせたり、先生の教えは我々が見落とす物をも絵にしてしまう。撮り始めれば時間を忘れる。涸沢ヒュッテに着いたのは13時33分になっていた。 チェックインしたところ、幸いにも10人で1室が使えるとのこと。紅葉シーズンにしては破格の待遇だが、それもその筈、登山者が少なく夕食も1回で済んでしまうらしい。早速売店前のテーブルで遅い昼食、とは言っても途中で行動食を取っているので小屋名物のおでんを数皿取って皆でつつくだけだ。飲める人にとっては酒が主体でおでんはつまみだ。約1時間をここで過ごし14時30分、部屋に入って歓談が始まったが、ヒュッテの会長から酒の差し入れもあって本格的に飲み始める。こうなればもう撮影は無しだ。幸か不幸か光も弱く、撮影意欲も湧かなかった。 17時夕食。過去に何回もヒュッテを利用したが、夕食が1回で済むのはこれが初めてだ。今年の紅葉は駄目だ、終わった、との情報がインターネットやモバイルで超スピードで流れるので、登山者の動静も一気に変わってしまうらしい。テレビでも紹介された美味しい夕食を終わって外に出ると煌煌たる満月が輝いていた。月光で穂高を撮る者、腹も満ちて後は寝るだけと布団に潜り込む者、それぞれに行動してこの日を終了。 10月12日(水) : 曇り時々晴れ 集合はビジターセンターに13時。12時35分、ビジターセンターへ行くが、まだ誰も来ていない様子。しばらく待つうちに二宮さんが現れ、次いで先生がやって来た。12時50分、紙にアルパインツアーと書いた紙をかざした大柄な女性が現れると、周囲からそれらしき人が集まってきて既に全員が来ていた。ツアーリーダは篠田さん、初めて会う人だがてきぱきと慣れた手順で参加者の確認と必要な手続き、説明を進めていく。 13時2分、先生の挨拶、準備体操を済ませて横尾に向けて出発。歩きながらの会話から涸沢の紅葉は10年来の不作で既に終盤とのことだったが、それも頷ける上高地の紅葉状況だ。赤くなるべき葉は染まらないまま茶色に枯れ、カラマツは既に色づいて間もなく全盛期の感じだった。そのせいでもあろうか、銀座通りに匹敵するほど人通りの多い明神への路もさほどの人影でもない。途中撮るものも無いのでひたすら歩いて13時47分に明神。10分休憩して14時54分に徳沢に着く。いつも黄色く輝き始めているカツラも見る影もない。トイレ休憩の後15時10分出発。その後一度休憩し、16時18分に横尾に着いた。 比較的空いているようですんなり部屋に通されたが、ツアーリーダよりも先生の顔に依るところの小屋の配慮が大きい感じだ。外で撮影する状況でもないので、早々に風呂に入った後は部屋で夕食まで寛ぐ。18時15分夕食。その後部屋で自己紹介などしながら懇談。 開催日時:2011年10月12日(水)~15日(土) 例年開催される岩橋先生が講師を務めるアルパインツアー主催涸沢山岳写真教室に二宮、山口2名が参加。その他の参加者が6名、講師・ツアーリーダを含めて10名という小じんまりした纏まりの良い教室になった。涸沢の紅葉は10年来の不作だったが、先生の眼力鋭く、1本の見られる木があれば全山紅葉のように撮れるということを実感した撮影会になった。参加者:二宮、山口、他6名講 師:岩橋先生、 ツアーリーダ:篠田行程 :上高地ビジターセンター集合~明神~徳沢~横尾山荘(泊) ~本谷橋~涸沢カール~涸沢ヒュッテ(泊) ~涸沢カール内周辺撮影~涸沢ヒュッテ(泊) ~本谷橋~横尾~徳沢~明神~上高地(解散) 記録メニューに戻る 余計なことだが、ヒュッテからの合流に出た途端、後ろから大きな鈴音を響かせたおっさんが下ってきた。クマ避けの鈴だがこんな銀座通りのように人の多い路で熊が出てくる筈もない。ひどく耳触りな大きな音で、好奇心旺盛なクマが出てこやしないかと思うほどだ。この音から逃れようと必死に下るがなかなか離れない。100mぐらいは離れたと思うがそれでも鈴音は響いてくる。ずっと聞かされているといらいらしてくる真に厄介な音だ。クマ避け鈴は必要な場所だけで使ってもらいたいものだ。