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記録、写真:山口、岩橋(宏)
涸沢・北穂高
8月3日(月) : 晴れ
集合場所は夕方に横尾山荘ということだが、東京周辺から行くには自ずと時間は決まってくる。13時から14時には上高地に入るので、当日先生からの連絡もあり、来られる人は14時に上高地ビジターセンターに集まることになった。半数を超える8人が14時30分に集まり、先生を交えて10名で14時40分に横尾に向けて出発。
途中は撮るものもなく、明神、徳沢を含め3回計40分ほどの休憩で17時15分に横尾に到着。翌日到着予定の高橋さんを除いた3名も既に到着していて今日の全員が顔合わせ。入浴を済ませ、18時30分の夕食で明日からの鋭気を養う。横尾山荘は一人用の段ベットなのでゆったり休める。21時就寝。
開催日時:2009年8月3日(月)~9日(日)
参加者 :石原、大谷、奥井、唐妻、高橋、西沢、松本、宮嶋、森田、山口、横坂、渡里、岩橋先生、岩橋(宏)
行程: 横尾山荘集合(泊)
~本谷橋~涸沢~涸沢ヒュッテ(泊)
~周辺撮影~北穂高小屋(3泊)
~涸沢ヒュッテ(泊)
~解散(本谷橋~横尾~徳沢~明神~上高地)
8月4日(火) : 晴れ後曇り
5時起床、快晴。5時30分から各自朝食。準備体操の後6時18分に出発。
屏風岩の横までは集団で歩行したが、その後は一本道でもあり各自撮影しながら登ることになる。途中、センジュガンピやコバノイチヤクソウなど樹林帯の花が遅い夏を演出していたが、一方でタケシマランやエンレイソウ、サンカヨウなどは早々と秋の実を付けていた。8時ごろ三々五々本谷橋で休憩。以降も撮影しながら登ったが、この夏は残雪が多く、涸沢下部は雪を被ったままだ。雪のないところはナナカマドの実が既に大きくなっていたのに反し、雪渓から出たばかりのところはまだ葉も開かない新緑の風情で面白い。雪渓の切れ目からは沢水がとうとうと流れ出て7月上旬のような有様だ。それらの撮影に時間をかけるうちに高橋さんも合流。12時20分、本隊は涸沢ヒュッテに到着。
各自昼食を取った後、別館に案内されて休息。午後の撮影をどこにするか思案中に雲行きが怪しくなりすっかり雲に被われてしまった。仕方なくテラスで天気待ちをするうちにやがてそのまま懇親の席に。結局天候の回復はなく、そのまま18時30分の夕食を迎える。天気予報が良くなかったせいで客も少なく、十分なスペースでゆっくり就寝。
8月5日(水) : 晴れ後曇り
4時30分起床。朝の撮影はヒュッテの裏。晴れてはいるが東の空にうす雲が掛かってすっきりしない。早々に諦めて戻った人もいたが、粘っているうちに強い光が差し込んで、まずまずの絵が撮れた。とは言え定番の域を出るものでもなかった。5時30分朝食。身支度を整え、6時40分に北穂高岳に向かって出発。一気に高度を稼ぐので頻繁に休憩を取りながら登る。1回目は30分足らずの堰堤で10分、更に途中10分休憩して鎖場へ。ここでは8時50分から9時15分までゆっくり休憩。振り返るとガスの中から前穂高北尾根が見え隠れしている。この変化を撮影しようと盛んにシャッターを押すがなかなか難しい。慎重に鎖場を登ると、続いて岩ゴロの急登が始まる。ほぼ30分ごとに休憩を挟みながら高度を稼ぎ、11時20分頃テント場下の花畑で撮影。12時16分に北穂高岳山頂に到着した。
早速昼食。北穂の小屋は食事の内容が良いとの評判があり、定番のラーメン、カレー以外にも牛丼、パスタ、ピザなどバラエティーに富んでいる。各自それぞれ好みの物を注文したが、パスタとピザが好評だった。メニューにぜんざいもあったが、昼のメニューで14時までしかないというのが残念だ。
一息ついて次の撮影意欲が出てきたが、山頂に着く前からガスがかかり一向に晴れてこない。テラスで美味しいコーヒーやビールなどを飲み、歓談しつつ待てども待てどもガスは切れない。とうとうこの日は駄目。ここでも客は少なく、この小屋にしては十分なスペースを貰って休息。18時15分夕食。21時就寝。
8月9日(日) : 曇り一時雨
4時50分起床。いよいよ最後の朝、期待して空を見上げたが、相変わらず雲に被われている。諦めて帰り支度をしているうちに突然周囲に赤みが広がってきた。大急ぎでカメラを持ち出してみると、穂高岳や涸沢岳が真っ赤に染まっている。それも尋常ではない異様な赤でガスまでがどくどくしい赤に染まっていた。しかし、三脚を立てファインダーを覗いているうち、あっという間に終了。シャッターを切れた人は半分ほど、ほんの2分ほどの出来事だった。奥穂高に上には虹も掛かっていたようで、これをカメラに収められたのは横坂さん唯一人だった。
6時朝食。6時40分、小屋の前で解散。各自マイペースで下山することになった。それぞれに途中で撮影しながら多くの者は8時30分ごろには本谷橋、9時30分過ぎには横尾に到着。帰りを急ぐ人、予約のバスの時間にゆとりのある人、沢渡からマイカーで帰る人など様々なので、ここからはほとんどバラバラの帰路となった。
天候には恵まれなかったが、存分に楽しんだ1週間だった。
8月8日(土) : 曇り後晴れ
4時50分起床。今朝もガスが濃く視界不良。5時30分朝食。天候の回復を期待して、しばし食堂でコーヒーを飲んで待機するも、諦めて7時8分下山開始。この時までに用事で早く下山した人が3人いたので、先生を含め総勢11名になっていた。途中10分の休みを挟んで8時25分に鎖場の上までくると、前穂高がガスの中から顔を出し始めた。登ってきた時と同じような状況だったが、ガスの中に見え隠れする峻峰にシャッターを切らずにはいられない。8時52分まで撮影。順番待ちの後鎖場を無事通過。その下部でコバイケイソウを前傾に前穂高の撮影に時間を費やす。やや盛りを過ぎていたのと、花と前穂の位置関係が難しく、順番に撮影するので時間が掛かる。今日は涸沢までなのでたっぷり30分ほど撮影タイム。その後もゆっくり下って、11時過ぎには涸沢小屋の上まで戻ってきた。上は相変わらずガスを纏っていたが、涸沢カールは青空が目立ち、すっかり夏の光線が差し込んでいた。斜面に咲いていたニッコウキスゲの群落が、鮮やかにその存在を誇示していたので一斉にカメラを向ける。12時8分涸沢小屋に下山。ここで昼食。ここの名物ソフトクリームが乾いた喉に何とも美味しい。12時50分まで昼食休憩。その後、涸沢ヒュッテに戻り、今度はいつも使い慣れた診療室の隣の部屋をあてがわれてゆっくり休憩。午後はパノラマコースへ撮影に出る予定だったが、13時半ごろから雲に被われ、すっかり光を失ってしまったので撮影終了。
18時夕食。その途中から雷がなって驟雨がやってきた。食堂から出ることもままならなかったが1時間ほどで上がってくれた。21時就寝。
8月7日(金) : 雨一時曇り
5時起床。残念ながら外は雨。5時40分朝食。その後コーヒーなど飲みながら雨待ちをするも回復の見込みなし。この日は一旦涸沢へ下って奥穂高へ登り返す予定だったが、雨中の登下降はつらく危険を伴うのと、ここでの撮影が不十分なので停滞を決める。となるとすることが無い。雨は強く、外にも出られない。講評会をするも1時間で持参の写真は全て終了。部屋でごろごろするか食堂でビールやお茶を飲みながら過ごすしかない。
11時30分昼食。食べることが唯一の楽しみだが、3日目になるとメニューが少なく同じものになってしまう。後は食堂の窓から人間ウォッチングだ。早々と泊まりを決める登山者や厳しい雨の中を通過していく登山者。大キレットにしても涸沢岳経由で奥穂高へ行くにしても雨の中では厳しいルートだ。大雪山での遭難があったばかりなのに、予定を強行するパーティーがほとんどだ。台湾や韓国からのパーティーも幾組か通過したが、スケジュール上強行せざるを得ないのだろう。折角の北アルプスも何も見えない雨のなかでは気の毒としか言いようがない。
14時過ぎ、秋田県の高校の山岳部が、顧問の先生に付き添われて5人上がってきた。雨の中、多分下着まで濡れているだろうほどのずぶ濡れ状態で、一人の女生徒はぶるぶると震えまで起こしている。まさに低体温状態だ。乾燥室へ行って暖まってこいと声を掛けても無反応、無気力状態になっている。顧問の先生も思案していたようだが、流石に奥穂への縦走は諦めて北穂で幕営するとのこと。それにしてもこの状態での幕営は危険を伴うと思ったが、幸い翌日元気な笑顔が見られたのでほっとした。若いから何とか持ち直したのだろうが、我々の歳では死に至る危険があったかもしれない。
17時、突然雲が切れた。17時20分、大急ぎで夕食を済ませ山頂へ急ぐ。槍ヶ岳の上にはレンズ雲が掛かり、周囲の雲の流れも面白い。常念岳も雲海の上に頭を出している。前穂高の左には僅かに虹も掛かった。ブロッケンも出た。誠に忙しい。あちらに向ければこちらが気になる。こっちを向けば既に条件が変わっている。このまま夕陽が差し込めば絶好のシャッターチャンスが訪れると期待が膨らむ。しかし、そうなってはくれないのが山の神の意地悪なところだ。肝心な時になるとまたガスが被ってしまった。高揚した期待があっという間に萎んでくる。残るはため息だけだ。19時まで粘ったものの大した収穫はなくこの日も終わってしまった。21時就寝。
8月6日(木) : 曇り後雨
5時前に起床するもガスが濃く視界不良。5時30分朝食。6時半ごろやっとガスが切れて槍が姿を現す。それ、とばかりに山頂に出て撮影するが、見え隠れするものの光が弱く、なかなか良い構図にならない。思わせぶりに出たり引っ込んだりを繰り返していたが、それも8時30分ごろまででお仕舞い。反対側の滝谷や奥穂・前穂は更にガスが濃くほとんど出ないままだった。9時過ぎに部屋へ戻り、持参の写真の講評会をしているうちに再び現れて撮影するも、今度も間もなく隠れてしまった。
11時50分、各自それぞれに昼食。その後もガス待ちでテラスに出たり、部屋で待ったりしたが徒労に終わる。16時ごろからとうとう雨になってしまった。18時夕食。18時50分から懇親会をしていると21時前突然空が開いて月明かりの中に槍が現れ急いで撮影。一旦隠れて22時ごろに再び現れたが、その時には既に3人が夢の中だった。