五千尺主催~第五回上高地自然写真教室~ 記録:山口 写真:山口、岩橋(宏) 記録メニューに戻る 開催日時:2008年1月6日(日)~9日(水)

行 程:坂巻温泉(泊)
    →釜トンネル入口~大正池~田代池~五千尺宿舎(泊)
    ~岳沢~五千尺宿舎(泊)
    ~梓川右岸~大正池~釜トンネル入口→坂巻温泉→新島々(解散)

参加者:大越、大谷、梶原、津田、西田、松本、宮嶋、森田、山口、渡里、他1名
    岩橋崇至先生、(サポート)井村、岩橋(宏)


 上高地五千尺グループが初めて冬季の特別営業を行うとのことで写真教室が開催された。残念ながら温暖化の影響か、積雪は1mほどあるのに気温は春のような気候に当たってしまい、目指す霧氷は望むべくもなかった。しかしながら、一般公募ではあったが、参加者は宮嶋さんの連れ一人を除いて全員自然塾のメンバーとなって和気藹々、楽しい撮影会になった。
(1月6日 日曜日 晴れ)

 この日は坂巻温泉に前泊。東京出発組8名は12時丁度の新宿発あずさ17号に合流して出発した。松本には5分ほど遅れて到着、その結果松本電鉄はいま出たばかりとのこと。乗り継ぎに気が回らないと言うのか、営業センスがないのか、冷たい対応に呆れてしまう。次の電車は40分後、目ざとくホームの下からタクシーの運転手が1台1万円で行くと声を掛けてきた。急ぐ旅ではないが寒いホームにいるよりは早く温泉に入った方が良いとばかり、多少持ち出しになるが、これに応じて2台のタクシーに分乗して坂巻温泉に向かう。
 16時15分、坂巻温泉着。既に津田、西田、松本さんが着いていて生徒は全員集合。岩橋先生とスタッフはこの日燕岳から下ってくるとのことで、これからの到着だった。夕食は先生達の到着を待って18時半から。その間温泉に浸かって鋭気を養う。ここの温泉はとても暖まる良い湯だ。先生は年末から燕岳に居座っていたとのことで大荷物を車に積んでやってきた。燕山荘のかっちゃんも一緒に来てくれたので宏倫君と2人のスタッフで心強い。食後の懇談を経て22時就寝。
(1月7日 月曜日 曇り)

 6時半起床、7時朝食。外はプラス4℃と暖かい。天気予報でも春のような一日と言っている。8時、旅館の車で釜トンネル入口まで送ってもらう。8時20分、歩行開始。約30分でトンネルを出る。上に出てもやはり暖かい。いつもの引き締まるような寒気が来ないので気持ちも高ぶってこない。10分休憩して先へ進む。霧氷とは縁遠い気温なので、ここから適当に撮影しながら行くことになる。曇天で焼岳の雪の稜線と空の境界が分からないほどなので山々のパノラマも駄目。撮るものは必然的に近いものや小物になってくる。冬枯れの枝越しに見える雪原に僅かに残る川面、強風に落とされたカラマツの枯れ枝、雪面に落ちた山アジサイのドライフラワーなど、普段はほとんど目に入らないものが対象だ。それでも撮り始めると時間を忘れる。氷結した大正池では、僅かに出ている湖面に映る枯木や周囲の樹木、時折りのぞく穂高や焼岳の映り込みを狙ってみる。ズームレンズが故障で動かなくなった山口はここでこの日の撮影終了。その後田代池に向かうが霧氷も何も無い田代池では興ざめだ。ここでそれぞれ持参の行動食で昼食。曇天は一向に改善せず、益々暗くなってくるようだった。夏の散策路を田代橋に向かうが、積雪は1mほど、隠れて見えない木道から外れるとワカンを履いていても膝上まで落ちてしまう。結構疲れる行程だ。14時過ぎ、田代橋。左岸を河童橋へ向かう。もう撮るものは何も無い。15時2分、五千尺ホテルの先の宿舎へ到着。
 午前中までクラブツーシズムが40人ほど入っていたということだったが、この3日間は我々だけ、段ベッドの4人部屋に2人ずつ入れてもらってゆったりとくつろげる。16時、無駄を承知で小梨平に行ってみるが、1枚もシャッターを押すことなく帰ってきた。18時、夕食。いつもの五千尺ロッジの上をいくビュッフェスタイルの夕食が素晴らしい。正月に太ってしまったのを落とそうとした思惑は大外れ、一層太りそうな食事内容だ。20時~21時30分、2階の廊下で今日撮ってきた西田、山口のデジタル画像をさかなに講評会。直ぐに見られることと、この日のように曇天でもそこそこ撮れるのがデジタルの強みだ。最後に先生の画像で勉強。3人とも同じ場所で撮ったのに先生のだけが全く違って見えるのは先入観ではなさそうだ。残念ながら明確に素人とプロの違いが認識できた。22時、就寝。
(1月8日 火曜日 曇り)

6時起床。残念ながら曇天、風も強く小雪もパラついている。朝の撮影は中止。8時朝食。内容豊富なビュッフェスタイルででついつい食べ過ぎてしまう。9時半から11時半まで食堂で講評会。2Lを持参した4人の写真をもとに丁寧に指導してもらう。12時昼食。カツカレー。動かないのでずーと満腹状態だ。13時15分、雪も止んでいたので、腹ごなしに岳沢方面に撮影に出る。六百山が辛うじて見え隠れするだけで、穂高は見えない。肉眼では雲に巻かれる山の姿が絵になりそうに見えるが、背景が真っ白な上、山肌の樹が黒い汚れのように写って写真にならない。上が駄目なら下を見よとばかりに、流れの渕に出来る氷の造形を探したが、暖かいのでなかなか見つからない。それでも形の良いのが2つほど見つかって、交替しながら撮影する。足場が悪いので結構時間が掛かる。益々暗くなってきたので15時半ごろ撮影を終了。16時25分に宿舎に戻る。18時、またまた豪華な夕食。19時15分~21時30分、デジカメ画像の講評。22時就寝。
(1月9日 水曜日 曇り後晴れ)

 7時起床。この朝も曇り。だが、前日よりは明るく風も無い。8時の朝食を終わったころには晴れ間も見えてきた。2階のベランダから穂高が見えたので急いでカメラを持ち出して撮影。位置的にはあまり良くないのだが、初めてすっきり見えたので何枚もシャッターを押してしまう。9時15分、荷物を整理して宿舎に別れを告げて出発。先ずは定番の河童橋からの撮影だ。その後は梓川右岸の河原に降りて焼岳や梓川の流れを撮る。そのうち猿の大きな群れが現れこれに目を奪われる。10年ほど前までは遠くにしか見えなかったが、最近では人間をまるで怖がらないで近くにいても平気で餌をあさっている。観光シーズンの客たちが餌を与えてしまったのが原因だろう。久しぶりの陽光に河原の雪の無いところで毛繕いをするものも多い。圧倒的に子連れが多いのでまだどんどん増えているということだろう。この時期に餌があるわけも無く樹々に登って皮を齧っている姿が多い。そこいらじゅうの樹が丸裸になっていくようだ。困った現象だ。
 猿に時間を取られて田代橋に全員がそろったのは11時半近くになってしまった。12時過ぎ、田代池分岐で休憩。その後大正池に出てみると、7日には結構あった湖面の氷がほとんど無くなっていた。日中の温度が毎日プラスでは消えてしまうのも無理はない。撮るものもなく、広い河原の先から車道へ出てワカンをはずす。これでずっと歩きやすくなった。13時30分、釜トンネルの手前の峠のところで、かっちゃんが宿舎で作ってくれた弁当を持って追いついてきた。ここで遅い昼食。少し温度が下がってきたが、おにぎりがおいしい。ミカンとソイジョイがデザート代わり。14時20分、釜トンネル出口。朝下っていた宏君が車で迎えに来てくれて、2班に分かれて坂巻温泉まで下る。温泉に浸かって体をリフレッシュ。15時30分ごろ先生と松本さんの車に分乗して新島々へ送ってもらう。
 運悪く電車は出たばかりで40分近く待たされた。しかも松本でのあずさへの乗り継ぎが1分しかなく、駅員の答えでは「無理です」とのこと。次のあずさは1時間20分も後になる。来た時に置いていかれたこともあって「何とひどい時間設定だ」と皆で憤慨していたが仕方がない。1分間に賭けて走るか、1時間20分ゆっくりするか、松電の車内で松本に着くまで論議していたが、松本直前、電車が20秒ほど速く着きそうになったので走ることに決する。到着するや否や重い荷物を背負って階段を駆け上ってホームに降りると、まだ発車ベルもなっていない。やれやれと安堵。後で分かったことだが、事前に車内放送で乗り継ぎのため2分遅れて出発すると案内があったそうだ。JRの機転か、我々が騒いでいたので松電から連絡が入ったか、いずれにしても良く対応してくれたと感謝。
 写真的には収穫がほとんどなかったが、宿舎も良く、気の合う仲間で楽しい新年幕開けの撮影行だった。